蝋人形の館

東京タワーにある「蝋人形館」がまもなく閉館するということで、
16年ぶりに行って来ましたよ。

相変わらずカオスな空間と言うか、
三船敏郎の隣にブラッド・ピットが立っていたり、
宇宙飛行士の毛利さんや向井千秋さんなんかもいて、
16年前と比べて、ちょこちょこ蝋人形が増えている模様。

そして、最後のほうのコーナーは、相変わらず海外ロックバンドの人形が、
館長の趣味なのかポスターやグッズなどのコレクションに埋もれるように立っていて、なんと言うか超異空間。

子供が「もう帰りたい!」と泣き喚いていましたよ。
あまりに怖かったんだろうね。

ドラえもん藤子・F・不二雄展が開催されている華やかな東京タワーに来てみたら、
目の前には髪の毛もじゃもじゃ&髭面のフランク・ザッパ

そりゃ泣くわ。

なんでも、東京タワー設立55周年? だとかに向けてリニューアルされるらしく、
その影響での閉館だとか。

勿体無いのかは分からないけれど、
あの「どうして俺はここに入っちまったんだろう感」が味わえなくなるのは、
寂しいことです。

思えば16年前、大槻ケンヂのエッセイを読んで、その勢いで入った僕も、
「なんで少ない小遣い叩いてここに来たんだろう……」などと思ったものです。


物販もかなりポップな印象に変わっていて、
金色に塗られた小さな東京タワーが、磁石の力なのか何なのか、
黒い台座の上でぐるぐると回り続けるという謎の商品が売ってませんでした。

あれを初めて見たときは、腹を抱えて笑っていたものですが。

時代は地デジに変わり、東京タワーの役割も殆ど無くなってしまったにも関わらず、
あの時に感じだ「場末感」はどこへやら。

都心の観光名所としての最新機能を充実させていく東京タワー。
一抹の寂しさを感じずにはいられません。


そして同日に、有楽町シャンテにて映画『アンコール!!』を鑑賞。

ポスターの字面的に『オーケストラ!』を連想させるんですけど、
これがまあ、実に涙を誘う映画でした。

イギリスのおじいちゃんおばあちゃん達が合唱コンクールに出場する話で、
劇中で歌われるシンディ・ローパーの『True Coloers』とかビリー・ジョエルの『Lullabye』とか、
もうズルすぎますね。
あんなの聞いたら泣くわ。

夫婦でのデートで観るとか、あるいは親子で観るのも良いんでしょうね。
蝋人形館もあわせて、どうぞ。


藤子・F・不二雄展ではあの伝説の雑誌『小太陽』も見られて、
A先生の『まんが道』大好き人間の僕としては、もう心が動きまくる大満足な一日でしたとさ。