吾輩と、猫である⑨

気が付けば吾輩は猫と2度目の年を越し、 彼らとの生活が当たり前になりつつあった1月10日のことである。家に帰るなり、忘れぬように記しているので、かなり乱暴な記述となることを許して欲しい。 吾輩は退助を連れて救急動物センターへと向かった。 そし…

吾輩と、猫である⑧

猫2匹の腎臓が、どうも良くないらしい。 彼らが吾輩の家にやってきて、もう7カ月が経とうとしている。 生後10カ月といったところだ。 吾輩の家に来たからには、とにかく良いものを食べて貰おうと思い、 世間的に『とてもよい餌』と言われるものをあげて…

吾輩と、猫である⑦

年が明けた。 年末は何かと小忙しく、猫の動画を編集する時間が取れなかった。 そんな最中も、猫はあれよあれよという間に大きくなっていく。 気が付けば、体重も3キロに迫り、 「月齢的に、平均体重より大きいけれどこれは大丈夫なのかしらん……」 と心配に…

吾輩と、猫である⑥

猫が吾輩の家にやって来てから、2週間が経ったある日、 2匹を病院へ連れていくことになった。 ワクチン接種である。 1回目はすでに保護主さん宅で済ませていたので、 次が2回目ということになる。 前日に動物病院へ電話したところ、 予約などは必要なく、…

吾輩と、猫である⑤

猫が来た。 保護主さんと一緒に現れたキジ白とキジトラ、2匹の猫である。 不慣れな室内であるにも関わらず、保護主さんがいるからか、 室内をてくてくと歩き回っている。 特にキジ白は前評判通り好奇心旺盛で、 パソコンデスクに上がったり、様々な場所の匂…

吾輩と、猫である④

猫を迎えるためにすべきこと。 それが何なのか、具体的にはさっぱり分からなかった。 とにかく猫用のグッズが必要である。 吾輩の家には、吾輩用の物しかないのだ。 吾輩はの部屋は、何もかも1人用である。 誰を招き入れることも無かったから、必要最低限の…

吾輩と、猫である③

『お見合い』 お見合いとは、結婚を希望する年頃の男女が、 両親や世話好きの親戚のオバチャンの仲介によって、 鹿威しの鳴り響く旅館だか料亭的なところで初対面し、 「あとは若い人同士で……ホホホ」という台詞を合図に、 「ちょっと歩きましょうか」などと…

吾輩と、猫である②

保護主さんからはすぐに返信が来た。 『フォロワーの数が多くてめっちゃ気持ち悪いんですけど。 と言うかゲームしてるんですか? その年齢でまだ? あと小説読みましたつまらなかったです(笑)』 というような内容が返ってくるんだろう……。 でも吾輩の本を…

吾輩と、猫である①

吾輩は猫を飼おうと思ったのである。 決して、独り暮らしが寂かったというわけでは無いが、 よし、猫を飼おうと思った。 「独り身がペットを飼うと婚期を逃すぞ」 誰もが口を揃えて言った。 よく聞くフレーズである。 昔から猫を飼いたかったのだが、実家の…

フィクション

※この物語はフィクションであり実在の人物団体とは一切関係ありません - 10月●日は誕生日だった。 中学校時代に友達だったY君という人がいて、 彼の誕生日が10月●日だった。Y君は背が高く、勉強は駄目だったが運動が出来て、それなりにモテていた。 かたや…

君と夏が、鉄塔の上

いよいよ明日、7月14日にディスカヴァー・トゥエンティワン社より、 拙著である『君と夏が、鉄塔の上』が発売されます。君と夏が、鉄塔の上作者: 賽助,栄太出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2016/07/14メディア: 単行本(ソフトカ…

新刊のおはなし

2016年7月14日に、いよいよ二冊目の小説を出版することになりました。君と夏が、鉄塔の上作者: 賽助,栄太出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2016/07/14メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見るイラスト…

ゲッセイ 『誰かの背中越し』

先日、知り合いの歌手であるハービーさんの紹介でソラトニワ原宿「GOLDEN STEP〜着席!原宿学園〜」というラジオのコーナーに出演させていただいた。 そこで、『誰ががプレイしているゲームを見る』という話題がちょっぴりあがったのだけれど、ゲームをする…

バレンタインデーは国民的行事なんだから祝日にすれば良いんだ。

今年の2月14日は日曜日だ。 これがどれだけ素晴らしい事であるか!日曜日といえば、一般的には休日。 学校も休みだし、会社も休み。つまり、一日中家に居られる。 好きな女の子が僕以外の誰かに何かを渡す様を、見なくて済む。 自分が誰にも何も貰えない…

『ドルフィン・ソングを救え!』〜ドアをノックするのは誰だ?〜

樋口毅宏著『ドルフィン・ソングを救え!』 1989年にタイムスリップしたフリーターの女性が、 憧れのミュージシャン(モチーフはフリッパーズ・ギター)の解散を阻止すべく奔走する――。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――『ドルフィン・ソングを救…

体育祭

電車の車窓から、どこかの学校の校庭が見えた。たくさんの人たちが、校庭に大きな輪を作っている。 その輪の中心で、小さな人影がいくつか、懸命に動き回っていた。どうやら体育祭のようだ。(体育祭かぁ……懐かしいなぁ体育祭。……あれ、体育祭? 何やったっ…

気がつけば12月。 もう今年が終わろうとしています。色んなことをやり残しているので、 できれば終わって欲しくはないのですが、まず皆様にお伝えしなければならないことがあります。それは『石はどうなった?』ご存知のない方も多いと思いますのでお伝え…

バック・トゥ・ザ・未来

バック・トゥ・ザ・フューチャーPart2にて、空飛ぶデロリアンがマーティとドク、 そして恋人のジェニファーを乗せて飛んでいった未来。デロリアン内部の操作盤に表示された日付は、『2015年10月21日』つまり今日だ。 映画の中では、車もスケートボードも空を…

彼方からお知らせ

賽助という小説家がいて、これがまた酷い男である。どれほど酷いのか、枚挙に暇がないので割愛するが、 10月25日の日曜日、彼は墨田区のとあるホールで和太鼓を演奏することになっている。町の小さなイベントで、1階ではおでんとか綿あめとかが売られて…

彼方のはなし

賽助という小説家がいて、これがまあたいそう酷い男である。どれほど酷い男なのか、その逸話は枚挙に暇が無く、 まだ一冊しか出していないのに小説家を名乗る辺り、 なかなか図太い男であることは理解出来るのだが、 それにしても酷い男なのだ。例えば彼は先…

彼方のはなし

賽助という小説家がいて、これがまあたいそう酷い男である。どれほど酷い男なのか、その逸話は枚挙に暇が無く、 まだ一冊しか出していないのに小説家を名乗る辺り、 なかなか図太い男であることは理解出来るのだが、 それにしても酷い男なのだ。例えば彼は先…

東京ゲームショウ

ゲームの祭典、東京ゲームショウ2015に参加してきました。 『人喰いの大鷲トリコ』がちゃんと出るみたいで、本当に良かったです。 早く遊びたいです。 『逆転裁判』も新作が出るようなので、こちらもとても楽しみです。 Logicoolブースに行ったらアニー…

色紙

本屋さんに置かれる予定のサイン付きPOPを書かせて貰えることになった。担当から渡されたのは、25店舗分のリストと25枚の色紙。恐ろしいことに、一枚の失敗も許されないという状態だ。(担当は恐らく、私を試そうそしているのだな) (よかろう、色紙2…

はるなつふゆと七福神

いよいよ、今月8月27日に、僕が書いた小説が発売されることになりました。同時に受賞されたほかの方々から遅れること数ヶ月。 これは偏に、僕が加筆・修正作業を延々とやっていたせいであり、 担当の方に「もうちょっとでできますから」を何度も繰り返し…

ある告白

気が付けば前回の日記から、三ヶ月ほど放置していたことになる。その間、ロシアに行ったり、新しい職に就いたりと色々な事があったのだが、 その一切を文字として残さなかった。それは何故か。 怖かったからだ。 僕も一応、今夏辺りに本を出版する身であり、…

いとしいしと

先日、ひょんな事が切欠で、ひょんな人と出会った。その人は、僕が作家になる前(厳密に言えば、僕はまだ本を1冊もこの世に排出していないので作家と呼べるか怪しい。 更に言えば、1冊出したとて作家と呼ばれるかどうかは怪しい)、コントに手を出していた時…

ピコピコ少年。

ぶらりと本屋に寄ったら、「ピコピコ少年」なる漫画が陳列してあった。 ピコピコ少年、ピコピコ少年TURBO、ピコピコ少年SUPERと三冊並んでいる。(なかなか郷愁を誘うカバーイラストだぞ。そしてこのTURBOの文字、これはストリートファイターのアレじゃない…

2014年に観た映画の覚書

昨年も100本を超え、104本の映画を鑑賞出来た。 楽しい映画体験を、今年も出来ればよいと思うのだ。

本のサナギ賞

先日、ディスカヴァー・トゥエンティワン社の担当の方から、お電話を頂いた。 「大賞ではないですが……おめでとうございます!」 そう言われた気がする。 正直、突然のことで何を言われたのか、よく覚えていないのだ。 ただひたすら「はぁ」とか「へぇ」とか…

やはり俺が選んだライトノベルは間違っていない

『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』というライトノベルがありまして。 僕はこの小説が大好きなのであります。あれは何年前でしょうか。 しばらくライトノベルというジャンルから離れていて、 「久しぶりに何か読んでみるかなぁ」と色々物色していたと…